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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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キャベツとトカゲと花


夢を見た。


広大なキャベツ畑の向こうに一軒の家。その向こうは地平線まで平坦な地面が拡がっている。キャベツと家の他には何もない。
家は立方体を二つ重ねて四隅に短い足を付けたような、高床式。
白と白銀と透明が基調で、無機質で几帳面な印象を受ける。


家の中へ入ると、一階の広い空間には何もなく、薄暗かった。
何処も彼処も真新しく、ひどく清潔だ。
天井の四分の一ほどが吹き抜けになり、上階からの灯りが洩れている。
二階は壁の一面が硝子になっていて、何もない庭とキャベツ畑、その先の何もない地面が見渡せる。
部屋にはやはり何もなくて、しかし煌々と照明に照らされている。
清潔な床一面に、柔らかく瑞々しいキャベツの葉が広げられていた。
作業着に麦わら帽子を被った人物が、農具を手に黙々と作業を続けている。


なにか「いいもの」を作っているのだそうだ。
無機質な空間の中の黄緑、その有機的な色調、若々しい生命力。
見とれていると、人物が悲しげな声を上げた。
トカゲが湧いたのだ。
白いプラスチックのような質感、全長三十センチ弱の目も口もないトカゲが無数に、音もたてずに這い回りキャベツの間に潜り込む。
視界一杯の黄緑の色調が音もなく蠢き、無機質な白が見え隠れする。
人物は、素早く手際よく、キャベツとトカゲを袋に詰めていった。


がらんと広い庭に、袋が五つ、真四角に形成されて、切り出された岩のように行儀よく並んでいる。
トカゲが湧いたキャベツはもう使えないので、廃棄処分にするのだそうだ。
窓辺に立って観察する。
半透明のビニール袋が透けて、キャベツの黄緑とトカゲの白が見える。


芽が出てきた。
袋を破って這い出す無数の蔓。
うねうねと蠢き、春キャベツのような質感の黄緑の葉が生じ、茂る。
蔓の成長が止まると、先端が細く白く変わり、蕾が付いた。
花が咲く。
白いプラスチックのような尖った花弁が五六枚。
海底に棲む生物が敵を威嚇するように鮮やかに開く。


いつのまにか日が暮れている。
昇ったばかりの月に照らされる無数の白い花。
物音ひとつしない。


美しいけど、ひどく空虚な眺めだった。
 

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もふもふ
オヤツを頬張って子供は御機嫌です。
前々から望んでいて、ようやく来年の2月の予約が取れた空間が、この2階にイメージが似ているのでびっくりしています。
10string 2012/09/28()13:36:10 編集
うふふふ
子供のもふもふほっぺには弱いのですよ~
調子に乗って書きますね!
おぉ!なるほど…この二階はキャベツの加工よりもイベントスペースに向いていそうですね!
玉川 2012/09/30()00:26:52 編集
プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
46
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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