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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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(なんだか「食」より「蝕」にロマンを感じでしまうのです)


現在心身共にこもっているもので、日蝕があるらしい、て知ったのがほんの数日前で…
(災害時に逃げ遅れるなきっと)


曇りだから見えないかと思いきや。
昼前、なんだか妙に静かだな、と感じて外を窺ったらば、薄らと日が出ていて。
サングラスを掛けて見たら…
欠けていた。


なんだか、なんつぅか。
太陽が欠けているって、シンプルに、とても、インパクトがありますね。
でもサングラスでの観察は目に負担がかかるらしいので、2秒ほどで目を逸らし。
とりあえず拝んでおきました。(ばあさんか)


ちょっと浮かれて、直接見ないようにして撮影したのだけど…
まぁ、映らんわな。





映画「カストラート」の、主人公(実在したバロック期の、ボーイソプラノを保つために去勢されたオペラ歌手がモデル)が王のお抱えとなり、日蝕で隠れた太陽を呼び戻せと命じられて歌うシーンを思い出した。
不安げな人々の顔が、「天使の歌声」によって徐々に安堵し(こんなに美しいし、王様も言ってるし、大丈夫。てことなのかな)、何事もなかったように光が戻るのだ、たしか。


敬愛するソクーロフの「日陽はしづかに発酵し…」は、はじめ「日蝕の日々」て邦題だったらしく。
たしかに、何処か見えない部分が静かに確実に発酵しているような、蝕まれているような…どうにもたまらん時空間だったなぁ。


今、澁澤龍彦「私のプリニウス」を読んでいるのだけど。
これは…
古代ローマの博物学者プリニウスが、古今東西の文献・思想・噂等を縦横無尽に引用し、また想像し捏造して著した、全三十七巻に及ぶ自然誌辞典「博物誌」。
その奇想・荒唐無稽(…アフリカには頭がなくて胸に目鼻がついている人間がいるとか、インドには耳が全身を覆うほど発達した人間がいるとか)を面白がりながら紹介するエッセイで。
それによると、

太陽が長時間にわたって異常な蝕を起こすこともある。独裁執政官カエサルが殺害されたとき、またアントニウスに対する戦争が勃発したとき、太陽はほとんど一年じゅう薄暗い色をしていた。

のだって。
太陽が欠けるの!?嘘!でもそれじゃあねぇ。て感じなのかしら。
あと、同章の冒頭から引用された文章が面白く。
(引用の又引用をしてるもんで何がなんだか)

…私たちの祖先が空と呼んだものは、また別のことばで空気と呼ばれりものであり、この空間は見たところ空虚で、そこには生気がみなぎっている。ひろく認められている意見によれば、月の下にあって、月からはるかに離れているこの領域は、天上の空気と下界の地球の発散物とを大量に混ぜ合わせていて、この二つの元素の融合によって構成されている。雲や雷鳴や落雷や雹や霧氷や雨や嵐や旋風が生ずるのは、そこからである。人間にとっての不幸の数々や、自然同士の闘争が生ずるのも、そこからである。


宮沢賢治「春と修羅」を思い出した。
序文より…

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です

みんなは二千年ぐらゐ前には
青ぞらいつぱいの無色な孔雀が居たとおもひ
新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
すてきな化石を発掘したり
あるいは白亜期砂岩の層面に
透明な人類の巨大な足跡を
発見するかもしれません



「この世の成り立ち」は「自分の精神の成り立ち」でもあったり…
面白いなぁ。


などと童心(?)にかえってはしゃいじまい。
高校の頃に見た映画のパンフレットを引っ張り出したり。
詩集をいろいろ斜め読みしたり。
今夜の酒はうまいぜ。
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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