忍者ブログ
玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
[183]  [184]  [185]  [186]  [187]  [188]  [189]  [190]  [191]  [192]  [193
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いかんいかん。
このとこちょいと病んでいた。


数日前から右目がよく見えず…
3日ほど前から、取り組んでいる絵が取り返しがつかないほどに変色し汚れ傷んでいるように見え…
ペンを持つと心の中で「もう取り返しがつかないすべて無駄だもう駄目だ死んでしまえ」「怖いだろう怖いだろう死ねば楽になる死ねばいい死ね」てな声が延々と聞こえ、自分の体が腐って崩れる白昼夢を見…
「怖くない無駄じゃない誰が死ぬかぼけ」などと言い返しつつ外に出ると、「この団地は4階建てだから飛び降りても確実に死ねないやめとけ」「だよね7~8階は欲しいよねあと子供が多い所も避けたいよね…て冗談じゃないわ!!」てな掛け合いが勝手にはじまり(これって「のりつっこみ」てやつですか?)…


(映画「シークレットウインドウ」を観てすんげぇリアルだと思った。結構早い段階で落ちが読めた)
(私に自殺願望は断じてない。
死を身近に感じたこともあるし、そのときの強烈な恐怖…強烈な恐怖は痛みに似ている。すんげぇ痛い…、人は死に難くできていること、自分は心底生きたいと望んでいることも知っている)


この事態は私の弱さ不心得が招いたものだちくしょう忌々しい恥ずかしい悔しいどうしよぅ…
などと蹲って呟いていたところ昨夜、母に
「あなたそれノイローゼよ?」
と指摘されて目が覚めた。


いかんいかんいかん。
またしても妙なところに迷い込んでいたわ。
(方向音痴だから時々やる)
いやぁ失態。ぺしっ(額をはたく)



大きなものを見に行こう。
魂を洗って干して整えよう。
江ノ島に向う小田急線車内にて。
PR
TOPが不可思議になってますね……
モデルの木に会いに小金井公園へ。
腰はまだ痛むのだが、現物をこの目で見ないことには制作が進まない。
まぁ気合いでどうにかなるだろうと出掛けた。


普段ならば自転車で片道20分ほどだろうか。
今日はえらいこと長くしんどかった。
腰を庇って変に力み変な漕ぎ方をしたのだろう。
帰宅してからへばり、あまり描けず。


私は頑丈に出来ており体力もある方で、日頃「気合いでなんとかなる」「堪えれば平気」「寝れば治る」という原則に則って生きている。
頑丈なのは、そうあろうと留意している所為もあるけど、先天的環境的なものもあるだろう。
頑丈でない人、てこんな気持ちなのかしら。
自分の頑丈さに感謝しつつ、そうでない人をもっといたわらないとなぁ。


小金井公園では、桜祭りが開催されていた。
静かに盛大に散る桜。
塊・存在がほどけて消滅してゆくようだ。
風に吹かれて地吹雪のように舞う花弁。
たくさんの家族連れ。
所狭しと広げられたシート。
喧騒やら音楽やら迷子アナウンスやらが、大鍋で煮込まれるようにわんわんと鳴る。
出店が立ち、焼き鳥を売るものが多く、肉の焼ける匂いが立ちこめる。


普段公園に居る人々は、疎らだけど互いにうっすらと意識しあい、相応の距離を保っているように感じる。
広く緩やかなテリトリーを守りあっている。
今日居る人々の意識は、水平方向には自分達の輪の内にのみ向かっている。
それぞれに僅かずつずれた次元にいるようだ。


ひとりで敷物に横たわったり(場所取りかしら)茫然と徘徊する人は(酔ってんだろな)、その乱在する次元の隙間を漂うようだ。


花弁を踏み散らしながら歩いていたら、ふと、波打ち際で貝殻の破片を踏むように、膨大な骨片をさくさくと踏んでいるような気持ちがした。
(なぜだか桜花から骨を連想するのだ)


なんというか、なんとなく、ここはとても「冥土的」だな、と思った。
つくづく私の脳ミソって陰性だなぁ。


この時期は、地獄の釜の蓋も、浮かれて弛むのではないかしら。


(あの世にいっても酒飲みてぇな)
ジッポが見当たらないと思っていたら、マグカップの中でコーヒーに浸っていた。
いつの間に……
ジーンズのポケットに入れたまま洗濯すること2回。
ウイスキーと焼酎のグラスに落とすこと1回ずつ。
今回も乾かしたら問題なく使えた。
丈夫だな。
しかしケースの革が少し染まり、またちょいと箔が付いてしまった。


近所に新しくパン屋が出来ていた。
新しくないのかも知れないが今日気付いた。
(新装開店的な雰囲気はなかったし)
以前は薄暗い貸しビデオ屋だった。
普段私は無心で黙々と歩いているらしく、目的のもの以外が目に入ることはあまりないのだけど…
今はまだ腰が本調子でないため勝手が違い、気付いたのだろう。


小ぢんまりした店構え。
ペンキで手書きされた立て看板。
肉屋のようにショーケースに商品が並び、「ご用の方は押して下さい」とインターホン。
やはり薄暗い。


商品の前には、商品名とちょっとしたキャッチフレーズが丸っこい文字でプリントされたカード。
何の気なしに眺めていると、「当店人気NO.1」「チーズの王さまカマンベール」といったフレーズのなかに「いまいち影が薄いのよね…」
ツナロールであった。
いやそんなぼやかれても。


俄かに興味を引かれて見てみると、
「園児に人気NO.1」→うぐいす餡パン
(なぜ唐突に園児)
「ソーセージ入れただけですけど」→ソーセージロール
(マヨネーズも掛かってたよ)
「あっ」→小倉餡パン
「…ん?」→南瓜餡パン
なんなんだ……


財布を持っていなかったのでそのまま帰宅したのだけど、気になって仕方なく…
一夜明けて今日覗いたら、カードが変わっていた。
キャッチフレーズがなくなっている。
なんなんだろう…
不可思議過ぎて客が引く、ということに気付いたのか。
エイプリルフールのジョークだったのか。
(や、狙っては出せない地味なインパクトだった)


うぐいす餡パンと胡麻餡パンを購入してみた。
取り立てて美味くも不味くもなかった。
昨日も今日も他に客の影が見えず、商品も数えるほどしか並んでいない。
地味に変な店である。


地味なんだけど驚いたんだけどやっぱり地味な日であった。
しかしなんつぅか、地味で衒わないものって、ぎょっとするよな破壊力を持っているよなぁ。
回復しつつある。
サーカスの熊程度に、のそのそ動き回れるようになった。
昨日から少しずつ描きはじめている。


祖母の具合も、そう悪いことはなさそうだ。


桜が咲いている。
怖ぇ……
枝は愛しくて仕方ないのに、花は恐ろしくて仕方ない。
正視出来ない。


桜の花弁の白。
咲く前は全身から紅に近い濃いピンクを発していて、咲いて淡いピンク、だんだん抜けて白になるように思う。
その白に骨を思う。
無数の骨片のようだ。


うろ覚えなのだけど、鈴木清純「ツィゴイネルワイゼン」中で、葬儀帰りの芸妓が

焼き場から出てきた骨はきれいな桜色をしていた。
農薬を飲んで死んだ弟は歯を食い縛り一滴も血を外に漏らさなかった。
その血が骨を染めたのだろう。

てなことを言っていたっけか。


父方の祖父の骨は、メロンソーダ色をしていた。
薬の色だそうだ。
長身で筋骨逞しかった祖父の骨はたくさん焼け残り、壺に入り切らなかった。


李の花弁は白く額が緑なので、花全体が清楚な薄緑に見える。


私もたぶん骨が太いので、たくさん焼け残るのではないかしら。
桜花は灰のなかの骨片よりずっと瑞々しく…
海底に散らばる骨を想像する。


桜は死を思わせる。
圧倒的なタナトスにエロスを感じることがあるのだけど、(芳年の残酷絵とか)
圧倒的なエロスにタナトスを感じるのかしら。
圧倒的な生に死を思うのかしら。


桜花を見ていると、自分の骨が静かに膨れ上がり、軋みひび割れて砕け散る気がしてくる。
それはきっととんでもなく安らかなのだ。
私は、ものすごくとんでもなく、桜が好きなのかもしれない。



この時期に思い出す西行の歌3首。大好き。

あくがるる心はさても山桜 散りなんのちや身にかへるべき
もろともにわれをも具して散りね花 憂き世をいとふ心ある身ぞ
願わくは花のしたにて春死なん そのきさらぎの望月のころ


どうやら私も、桜にやられている。
プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
ブログ内検索
カウンター
忍者ブログ [PR]


(Design by 夜井)