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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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回復しつつある。
サーカスの熊程度に、のそのそ動き回れるようになった。
昨日から少しずつ描きはじめている。


祖母の具合も、そう悪いことはなさそうだ。


桜が咲いている。
怖ぇ……
枝は愛しくて仕方ないのに、花は恐ろしくて仕方ない。
正視出来ない。


桜の花弁の白。
咲く前は全身から紅に近い濃いピンクを発していて、咲いて淡いピンク、だんだん抜けて白になるように思う。
その白に骨を思う。
無数の骨片のようだ。


うろ覚えなのだけど、鈴木清純「ツィゴイネルワイゼン」中で、葬儀帰りの芸妓が

焼き場から出てきた骨はきれいな桜色をしていた。
農薬を飲んで死んだ弟は歯を食い縛り一滴も血を外に漏らさなかった。
その血が骨を染めたのだろう。

てなことを言っていたっけか。


父方の祖父の骨は、メロンソーダ色をしていた。
薬の色だそうだ。
長身で筋骨逞しかった祖父の骨はたくさん焼け残り、壺に入り切らなかった。


李の花弁は白く額が緑なので、花全体が清楚な薄緑に見える。


私もたぶん骨が太いので、たくさん焼け残るのではないかしら。
桜花は灰のなかの骨片よりずっと瑞々しく…
海底に散らばる骨を想像する。


桜は死を思わせる。
圧倒的なタナトスにエロスを感じることがあるのだけど、(芳年の残酷絵とか)
圧倒的なエロスにタナトスを感じるのかしら。
圧倒的な生に死を思うのかしら。


桜花を見ていると、自分の骨が静かに膨れ上がり、軋みひび割れて砕け散る気がしてくる。
それはきっととんでもなく安らかなのだ。
私は、ものすごくとんでもなく、桜が好きなのかもしれない。



この時期に思い出す西行の歌3首。大好き。

あくがるる心はさても山桜 散りなんのちや身にかへるべき
もろともにわれをも具して散りね花 憂き世をいとふ心ある身ぞ
願わくは花のしたにて春死なん そのきさらぎの望月のころ


どうやら私も、桜にやられている。
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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