制作中。

三日前から、夜床に就くと、体の上に大きな重たい気色の悪い影がのし掛かって来て寝苦しい。
それはゆったりと蠕動しながら拡張と収縮を繰り返し、しつこく居座るのだ。


夜毎に形が定まって来て、昨夜は巨大な蛇体をうねらせながら見えない顔の中で大きな口を開けてにたにた笑った。
今描いている濡れ女だ。
なんだ、あなただったのか。
拒否し抗おうと強張らせていた心身の力を抜いて両腕を広げると、それは少し戸惑ったような気配を見せ、拡散した。


緊張と興奮で睡眠が浅くなり、睡眠と覚醒、夢と現の境が曖昧になっているのだろう。
いつものことだ。


自分の体から甘酸っぱい腐臭が立ち昇り、両腕の内側がリンパ液でべたつくように感じられる。
入浴も洗濯もしているので、これも気のせいだろう。
モチーフと自分の境が曖昧になる。
これもいつものことだ。

大丈夫。
出来るだけ仲良くして…
仕上がる頃には何らかの折り合いが付いているだろう。


大丈夫！
このような局面で負けないように、日頃鍛えているのだし。



(妖怪濡れ女を描いています。当ブログの電波度が高い時は、制作が進んでいる時だと思ってくださいm(__)m)