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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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「花石物語」「おれたちと大砲」「四十一番目の少年」井上ひさし
「楼蘭」「あすなろ物語・緑の仲間」井上靖
「東京シック・ブルース」芦原すなお
「宮澤賢治 童話のオイディプス」高山秀三
「相談しよう そうしよう」原田宗典
「何でもない話」「海と毒薬」遠藤周作


感想等。
井上ひさし、面白いなぁ。
視点の温かさとシビアさ。
以前読んだ「手鎖心中」もとてもよかった。「イーハトーボの劇列車」は読み返す度泣いてしまう。

「楼蘭」
歴史もの短篇集。
表題作は、紀元前、タクラマカン砂漠に僅か50年ほどだけ存在した小さなオアシス国家の物語。
大国の狭間で翻弄され都を追われ、楼蘭人にとって楼蘭とは、「いつか帰るべき美しい場所」、また誇りの拠り所となってゆく。
あと「補陀落渡海記」が面白かった。
観音菩薩のおわす浄土を目指し独り小舟で漕ぎ出す補陀落渡海。(即身成仏のようなものか)
慣習と世間の目からそれを余儀なくされてしまった僧の、静かな極限状態。
この作者の作品は、現代もの(つぅても戦後だけど)より歴史ものの方が好きだなぁ。

「東京シック・ブルース」
四国から上京した主人公が学生運動たけなわの大学に入学し…常に戸惑っているような「いいヤツ」な主人公の前に様々な人物が現れ、演説(?)し、また去ってゆく。(「魔の山」…?)
主人公の父親と生物学の先生のそれが印象に残っている。
「…全体は自然なんだ。だから、いつも自然に立ち返って、自分をかえりみるようにせねばならない。それでも、時に判断に窮することもあるだろう。そのときは、内と外の自然の声が聞こえてくるまで、保留するのだよ。若い者にはそういうのは煮え切らない態度と映るかもしれんが、そうではない。保留こそ、自分が自分の主人であるための、人間の権利なのだよ」
「…自然の営みを素晴らしいなあ、と思える能力は、生き物の中で人間がもっども優れているかもしれない。…いいかい、みなさん、どうか自分が一個の生き物だということ、そして、この世界の成り立ちは、決してデタラメなんぞじゃねえ、ということを忘れないでね」
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
46
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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