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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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アンドレイ・ズビャギンツェフ「父、帰る」を観た。


母子家庭で育ったローティーンの兄弟の元に、十二年振りに父が帰って来て、三人で旅行をする、というストーリー。
寡黙で高圧的な父と少年は打ち解けず、父が家を出た理由も帰った理由も旅行の目的も一切語られず…
伏線かな?と思わせる小さな謎も謎のまま、物語は終わる。
まったくもってわけがわからず。
しかし、大層に魅力的だった。


何故だろう?と思い返すと…
胸の内には、少年たちの表情や旅行先の風景、空の青さ、湖面の美しさ…が瑞々しく残っている。
なんだか、ともするとそれらが自分の記憶であるかのような勘違いをしてしまいそうだ。


考えようによっては、そこに何の理由も意味も教訓も見出だせない、て、とてもリアルであるかも知れない。
現実に起こることのその殆どは、そのようなものだろう。
そういえば、子供の頃には「大人の事情」てやつは、UFOよりも遠い存在であったような気もするし。


そういったある意味の現実感と、非現実的にも思えてしまう風景の美しさ。
それらが相俟って、「心の隅に残っている、どこまでが現実なのかわからない記憶」に似ているようにも思えてきたり。
そこから考えると、冒頭の、水底に沈んだ古いボートの映像は、「記憶」そのもののようにも思えてきたり。


…とまぁ、このようにいろいろと思い考えてしまうところが、この作品のパワーであり魅力なのでしょう。
なんだかね。
無理矢理にそこに意味や教訓を求める行為は、場合によってはひどく傲慢であるかも知れない、とも思ったです。


まぁその…うん。ねぇ?そのなんだ。
よくわからないけど、この映画、好きです。




覚え書き。
ここ最近(つっても一年くらい?)に観た映画で、特に面白く感じたもの。

「羅生門」「スラムドッグ ミリオネア」「THE MOON」「クジラの島の少女」「バーバー吉野」「太陽」「東京ゴッドファーザーズ」「ビッグフィッシュ」「マレーナ」「ソラリス」「月に囚われた男」「大人はわかってくれない」「ボルベール 帰郷」

(もっとあった気がする…)
(そのうちに、ちんまり感想文など載せるかもです。ちまちま書き散らしてはいるのだけれど、なかなか纏めるられんでのぅ…)
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
46
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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