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「夢十夜」のまねっこです。
蝦大黒
テナガエビのような大黒さんの夢を見た。
真っ白な漆喰の壁に、焦げ茶掛かった黒の立派な柱。
目の高さくらいの位置に、三十センチほどの大黒さんがにこにこと笑っている。
私は土間に立ってそれを見ている。
大黒さんの肩から上へ、肘を軽く外側へ曲げて菱形のように、伸びやかな若々しい腕。手首は真っ直ぐに指先をすぼめている。
肘を伸ばせば身長の倍くらいに長そうだ。
腹には三対の赤子のような手が、行儀よく握られて並んでいる。
長い腕が時折ゆっくりと揺れる。
その下には十センチばかりの折り紙のような人型が、縦に幾対か並んでいる。
布袋さんや恵比寿さんだろうか。
奥の間から人が出てきた。
奥の方は影になってよく見えず、その人の顔にも影が落ちてよく見えない。
手を前で組んで畏まり、大黒さんのご由緒を説明してくれた。
いつの間にか私の斜め後ろに立っているので、視界の隅に影が映るばかりで姿形を捉えられない。
此処は旧家であり、代々この大黒さんを大切にお祀りして来られたのだと。
長い腕の理由を説明され、その時はなるほどと感じ入るのだが、すぐに記憶から抜け落ちてしまう。
合掌して顎を引き拝む。
うっかりしていると長い腕に捕まってしまうような気がする。
緊張を解けない。
大黒さんは相変わらずにこにこと笑っている。
長い腕はゆらゆらと、気配を探るように動いている。
腹の手たちは動かない。
背後から厳しい気配が伝わってくるので、拝むのを止められない。
ふと、あの長い腕で捕らえられた時に、腹の小さな手たちが動くのかな、と思った。
鳩尾に冷水が広がるような恐怖を感じた。
背後の気配の厳しさが増す。
拝むのを止められない。
小さな人型たちがくつくつと、静かに泡立つように笑いはじめた。
ありがとうございます!
わぁ!思いついたままなんとなく書き散らしておりましたが…なるほど!!
たしかこの夢を見た頃は、民俗関係の本を読み散らかしておりまして…また、過労で体を壊して療養中で、内省、模索をしておりました。寺社にお参りもしておりました。
…ということを、コメントを拝読して思い出しました!
なるほど…!仰ってくださるように「次のステップへ踏み切るためにしゃがんだところ」として考えると、なんだか嬉しくて勇気が出ます。
今後また大黒さんに遭遇する機会がありましたら、もっと安心して思い切り踏み切ろうと思います!
含蓄豊かな素敵なコメントをありがとうございました!
連絡先→tamagawa10@hotmail.com