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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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雲龍団扇を、田無神社に奉納した。


昨年、絵描き友達の深津氏のおみちびきで、田無神社に出会った。
なんとも魅力的な神社である。
参拝し、酉の市に行き…
そのなかで、ここに雲龍団扇を奉納したい!と思い立ち、日毎にその思いは募り…
深津氏に相談したところ、先方にお話をして下さり、このたび実現したのである。


雲龍団扇…
昨年夏に「うちわ100人展」という企画に出品した作品である。
竹製の無地団扇に水彩で雲と龍を描いた。
私にしては珍しくどうしても手放したくなくて、手元に置いてあったのだ。
(仕上がった作品に執着を覚えることはまずないのだけど)


しかし何故、こんなに「奉納したい!!」と思ったのだろう。
思い当たることを挙げてみよう。

一、嶋村俊表作の本殿がとにかくとにかくすんばらしい!
(昨年11月13日の日記に感想書いとります)
一、御祭神が龍。
級津彦命・級戸辺命(しなつひこのみこと・しなとべのみこと)の化身である金龍神を中心に四方を青・白・赤・黒の龍神が守っている。
一、境内の空気が、神社特有の突き抜けた清々しさを持ちながら同時に暖かく、昔も今も沢山の人々が行き交って親しんできたのだな、と感じられ…とにかくすんごくいい。
(真っ当でありながら偉振らず開かれていて、遊び心もある。私もそんな絵を描きたい)
一、深津氏を通して聞いた宮司氏の言葉「私たちは祝詞をあげるとき、命懸けなんです」
(私も描くときにそうありたい、と願っている)
一、御神木と、境内を囲む銀杏の木がすんごくいい。
(木好きとしてはもぅ)
一、ここの狛犬は「バカ姉弟」のおねいちゃんによく似ている。
(どうでもいいんだけどね。書きたかったの)

…龍がここに来ることを望んだのだと思えてならない。
私にとって龍は特別なモチーフで、その存在を実感している。
たかが団扇だけど、されど龍、なのだ。


約束の日、深津氏に付き添って頂いて神社を訪ねる。
お初にお目にかかる宮司氏は、静かで言葉に力があって、思っていることを正直に衒わずにお話ししたいな、と思わされる方だった。
江戸彫刻を見直し護る活動をされているそうだ。
勉強になった。
北斎は子供の頃、嶋村家に弟子入りして彫りを学んだのだそうだ。
絵師となってからも彫り師の友達が多く、多くの影響を受けていたとか。
北斎…!!
(北斎になる、のが私の今生の目標である)


雲龍を差し出すと宮司氏が、いちばんに「後期の北斎みたいですね」と言って下さったのが、ものすごく嬉しかった。
本堂に移り、奉納の儀式をして頂く。
(まったく知識なく情熱のまま押し掛けたもので、少し驚いた)
2人の神主氏が笛・太鼓・鈴とともに祝詞をあげて下さる。
頭を下げて戴く。
その間の感覚。すべての垣根が取り払われたような…
そうだ。これは、昨年八王子祭りで御輿を担いだときのこと…
大通りを、千貫と町々の御輿が通ったあと、山車がゆくときの感じに似ている。
(昨年8月7日の日記に書いとります http://www2.tky.3web.ne.jp/~amiganut/ZAKKI10TOP.html


儀式が終わる。
「これで龍は、神様のもとで神様と等しい存在になりました」
と、そんなニュアンスのことを宮司氏が仰った。
現世を離れ、龍神界の籍に入ったのだそうだ。
(神道世界では、いちばん上が神仙界、続いて龍神界…いちばん下が幽界であり、私たちは現世で修業をしているのだそうだ。強く興味をひかれる。調べてみよう)


そのあと宮司氏が本殿を拝観させて下さり…
(本殿の公開は年に一度酉の市の日だけなので、ものすごくラッキーである)
(これについては思ったこと感じたこと学んだことが沢山あるので、また改めて)
本堂を出るとき、鴨居の上に浮き彫りの笑う龍を観た。
にこやかに楽しげに穏やかに嬉しそうに…素敵な笑顔だ。
「儀式が終わると龍は笑うんです。
笑うことは生きてゆく上でとても重要なのですよ」


本気で描いてきてよかった。
全身全霊で描いていてよかった。
「描くことは祈ることによく似ていると思います」
と言ったら、
「描くことは祈ることですよ。演奏すること、踊ることも同じです」
と宮司氏。


そうだ。間違っていない。
目の前に見えているこの道をこのままゆこう。
それはものすごく楽しいことだ。


このところいくつかのことがあって、視界が曇っていた。
まぁ、この道以外を歩ことは出来ないだろうし。
怖れずゆくぞ。
雲龍が、龍神が、教えてくれたのだろう。


(その弐へ続く)



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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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