しんどい夢

休憩を摂ったら疲労を知覚してしまった。
腕に力が入らずペンを捌けず。
絵に向かうとひどい恐怖を感じ。
どうやら今日は私の中のお絵描き担当者が不在のようだと、一日茫然と過ごした。


気分が優れず早めに床に就いたのだが、うまく眠れず。
明け方に生々しい夢を見た。


広い何もない空間に、木の模型が建っている。
現在描いている木のようだ。
それは建築途中の建物のようで、所々、というか半分近くが欠けている。
あるはずなのに目に見えない。


やがて、薄らと「あるはずの部分」が浮かび上がってきた。
私の視点は虫のように、いやそれよりも高速で無機質な動きで、幹の前後を縫うようにジグザグに、下から上から舐めるように、移動してゆく。
小さく、大きく、高速で行き来する。
距離を測っているようだ。


木の模型の形を保つのは私の意志と集中力、ということがわかっている。
全力で意志を持ち集中する。
少しでも気を抜いたらすべてが台無しだ。


視点が移動を続ける。
何時終わるのだろうかこの夢は。
全力の集中を続けることは大変にしんどく恐ろしいのだが、模型を崩してしまう方が恐ろしい。
何時まで続くのだろう。


本当に気が遠くなるほど長い夢だった。
拷問のようだと感じたけれど、どこか愉快で、でもやはりしんどかった。
もうこんな夢は見たくない。


この夢が終わるのは、絵が仕上がった時なのだろう。


（先程気付いた。この夢はひとつの突破口を示している！）