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最近読んだものたち。
西原理恵子「ものがたりゆんぼくん上・下」
柳蒼次郎「異形の者」
藤沢周平「春秋山伏記」「夜に消える」
山本周五郎「松風の門」「与之介の花」「赤ひげ診療譚」
柴田錬三郎「心形刀」
夢枕獏「陰陽師 付喪神ノ巻」「 対極ノ巻」「 飛天ノ巻」「平成講釈 安倍清明伝」「ものいふ髑髏」
町田康・いしいしんじ「人生を救え!」「人生を歩け!」
村上龍「私は甘えているのでしょうか? 27才OL」
吉村昭「海馬」
明野照葉「輪廻」
島村匠「芳年冥府彷徨」
鶴見俊輔「アメノウズメ伝 神話からのびてくる道」
杉浦日向子「ウルトラ人生相談」
村上春樹「そうだ、村上さんにきいてみよう」
読書はよいな。キモチイイな。
制作を休んだ間は解禁にしたのだが。
眼精疲労が深刻だから、またしばらく控えめにせんとな…
漫然と読むのを止めて、どうしても読みたいものだけに絞ろう。
○「図説 日本未確認生物辞典」 笹間良彦著 柏美術出版
○「新訂 古事記 付現代語訳」 角川文庫
○「完訳版 グリム童話集1~5」 偕成社文庫
○「日本人の禁忌 忌み言葉、鬼門、縁起かつぎ…人は何を恐れたのか」 新谷尚紀監修 青春出版社
○「子どものころ読んだおとぎ話37選」 天沼春樹編著 東京書籍
○「恐怖」 筒井康隆 文藝春秋
○「Truth In Fantasy XXXXVII 鬼」 高平鳴海他共著 新紀元社
○「シグルイ 1~8」 山口貴由/原作・南條範夫 秋田書店
○「無次元創刊号 特集・恐怖」 次元社
○「できるかなV3」 西原理恵子 扶桑社
○「営業ものがたり」 西原理恵子 小学館
並べてみるとはっきりわかるな。
このとこ「異形」「鬼」ブームである。
「日本未確認生物辞典」がえらいこと面白かった。
妖怪・幻獣…過去日本に「存在」した、不可思議な奇現象生物たちの記録・伝承を紹介。
遭遇した人々の心理を探る。
読んでいて、「古事記」から生まれた化け物が意外に多いのに驚いた。
古事記は神話の形をした政治の書であり。
そのなかで大和朝廷に敵対する存在は、化け物と貶められる。
古代に於いて、朝廷に平地を追わた集団が野山に住まい…
「土蜘蛛」「夜刀の神(=化蛇)」等と呼ばれ…
狩猟や略奪を行う集団の、カリスマ性を備えた指導者は「鬼」と呼ばれた。
(酒呑童子、大嶽丸、悪路王、鈴鹿御前…)
「鬼」「悪」は、なにかしら「突出した力」に対する恐れ、敬意を込めた称号でもあったらしい。
(対して「童子」は劣ったもの、小さいものというソフトな蔑称だとか。
「小僧」的なニュアンスか?政治的意図や親しみだろうか)
妖怪の多くは、人の自然に対する「恐れ」から生まれていると思う。
その「恐れ」は敬意を含み、仲良くなって共存してゆこう、という愛情を感じる。
鬼も多様な性質を持っているのだけど、その一部は明らかに「人」であり…
政治・歴史の流れのなかで最後は討たれてしまう、反逆者であり。
誇り高いマイノリティであり。
特定の集団・民族にとってはヒーローであり…
むかし達谷の悪路王
まつくらくらの二里の洞
わたるは夢と黒夜神
首は刻まれ漬けられ
アンドロメダもかがりにゆすれ
太刀を浴びてはいつぷかぷ
夜風の底の蜘蛛をどり
胃袋はいてぎつたぎた
(宮沢賢治「原体剣舞連」より
異形は力。
「絵鬼」に、なりたいものだ。
(それでは恐怖とは、人である・人にあらずとは…
また改めて)
○箱根・大湧谷にて噴煙
煙を描きたい。
黒玉子うまかった。
○銀座・ヴァニラ画廊にて「残酷な姫君の宴」
人形展。
三人の女性作家による女体の造形。
なんつぅか、「女」ってすごい、と思った。
フライヤーの文章が面白かったので、一部引用。
高貴で美しい存在ゆえに人々の嫉妬を買い、無惨な目に遭いつつも常に勝利する姫君は孤高の少女の象徴でもあり、その眩しい程の処女性に人々はさらに嫉妬し、劣情を催すのです。
何故だか(たぶん対極であるから)、西原理恵子「朝日のあたる家」中のこういちくんの台詞「まんこって、すげえや」を思い出した。
まんこって、すごい。
そぉいや私も女だったな…
すっかり忘れていた。誇るべきだよな。うん。
エロに挑んでゆきたいなぁ…
○田無神社本殿
年に二度、酉の市の日にだけ公開される。東京都指定文化財。
御輿を大きくしたような造りで、彫刻がとにかくものすごい。
梁や柱、細部にいたってびっしりと彫り込まれているのだけど、五月蠅さ物足りなさが一切なく…
端正で、繊細で、大胆不敵。
かっこえぇぇぇ!!
透かし彫りの上り龍下り龍。
説話の一場面。
亀、小鳥、水…
梁の先は獅子・龍・莫・象など瑞獣の貌になり、神殿に籠もった大きな力が奔出しているようだ。
江戸後期に、嶋村俊表という名工が、一人で、2年だか3年だかをかけて彫り上げたそうな。
(彫り上げるなりぱったり倒れて、戸板に載せられて勝浦へ帰ったんだって!さもありなん…)
俊表氏は木の目を読めたそうで、人物の頬や腹に、ぴたりと円の木目がくるように彫られている。
これが「神業」とゆうのだろうな。
そして「神業」とは人が成すものなのだよな。
嬉しくなった。
生まれてきたからには、生きているうちに、こんな仕事をしたいよなぁ!
精進精進。
技術って、素晴らしい。
連絡先→tamagawa10@hotmail.com