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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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久方振りに化粧をして電車に乗った。
驚いた。
私まだ結構若いじゃん…


制作のため籠もっており、日頃いちばん接する機会が多いのが80代の祖母であり。
続いて70代の大叔母、60の父。
祖母はだいぶ恍惚が入っており、大叔母もなんか不穏、父はいろいろ諦めて放棄した人で…
室内犬は自分を人間と認識している場合があるというが、似たように(?)、私は自分が刻々と衰えつつあり死につつあるよな気持ちになっていた。
いやぁびっくり。
私、老人じゃなかったんだ…


最近幼子と遊ぶ機会があり、
(絵本とおはじきと変形バドミントンみたいなやつで遊んでもらった)
そのパワーに改めて驚き感じ入った。
ランダムにひたすら繰り返す遊びを通して、機能・知識・経験…をまさに貪欲に獲得してゆく。
生まれたての太陽なのだ。
大気をすべてを呼吸し飲み込んで、形を成して昇ろうとしている。


対して祖母は、黄昏の終わりに差し掛かっているのだろう。
機能・記憶・認識…をひとつずつ手放しながら日没に向っている。


それなら私は…
やっとのことで山の端から顔を出し、これから中天に架かろうとしているのではないか。
30才。やっとどぉにか己の形を獲得し、「作品」を創ろうとしている。
未だなにひとつ成してはいない。
黄昏ている場合じゃないぞ。
小学時代の将来の夢は「ご隠居」だったけどさ。


これはあれかな。
大飲みして大眠りして、「あれ?今って朝?夕方?」てな事態に似てるかな。
(似てないかな…)
いやぁ失態。ぺしっ(額をはたく)


しばらく悪天候が続いている所為もあるかも知れない。
こんな季節もある。
そのうち晴れる。絶対晴れる。
雲が晴れたときに(きっと唐突にことも無げに晴れるのだろう)、なに食わぬ顔で最大限に照ることが出来るよう、地道に頑張ろうと思う。
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何故こんなにもよいのだろう。
(モデル協力なつき嬢)
入浴していたら、父が鼠捕りにかかった鼠をなぶり殺す声が聞こえた。
生物の断末魔を初めて聞いた。まさに断末魔だった。
父の唸り声も人間離れしていた。


風呂から上がって目にしたもの。
ぺたんこに畳まれた鼠捕りと散らばった血。
頬を上気させ妙に機嫌の良い父。
…怖ぇ。
絶対必要以上にいたぶってたぜあれ…


ここから恐怖についてあれこれ思索してみようとしたけど、やめた。
だって怖いから。


私がどんなに考えたって、現実も世界も変わらんしな。
(そう思うと少し安心)
(変えられるのはそれらとの関係であり、私自身がよろしく変われば関係もよろしく変わる)


絵のことを考えよう。
友人が「インドでは樹木と結婚出来るらしい」との情報をくれた。
まままじですか!?どどどうしよう。


私は木が大好きである。
愛してる、と言ってもいいと思う。
幼稚園の頃、遠足で行った先で一日木と話し込んでいたらしい。
今でも描いていると、木のことばが聞こえた!と確信する瞬間がある。
(残念ながら今聞けるのはごく稀に一言、だけなので、会話までには至らない)
たぶん近い前世で私は木で、その生はとても幸せだったのだと思う。


…輪廻転生。
そういう考え方・捉え方・表現の仕方も有りだと思う。
過去の堆積が現在を作っているけれど、過去は今更どうにも出来ないし、過去が現在に干渉することはない。
未来を目標として現在の自分を奮い立たせることは出来るけど、結局どうなるかはわからない。
あるのはずっと現在だけ。どうにか出来るのは現在だけ。
前世も来世も似たようなものとして、現在を客観視するひとつの手段として。
またちょっとした潤いとして。
だから前世の因縁どうこうとか、来世のために現世を捨てるとかは、絶対に無しだと思う。


…閑話休題。
もし木と結婚出来るとしたら、どうしよう。

「ボクはどの石も好きだけどォ…
どの石がボクを好きなのかわからないなァ」
(いがらしみきお「ぼのぼの」)

やっぱり惚れた木を口説くのかなぁ。
その木が人の家の庭先に生えていた場合、「お宅の木をください」て申し入れるのかなぁ。「結婚を前提としてお付き合いさせて頂いてます」とか。
私有地だったら持ち主に、国有地だったら国に…
通い婚?
でも私、木に対しては惚れっぽいんだよな。
描き上がるとすっと落ち着いて、また違う木が気にかかり…
それはつまり、繰り返し描き続けたい、と思える木にまだ出会っていないということか。
まだまだ青いな私…


今まで描いた中でいちばん熱を上げたのは国分寺のヒマラヤ杉かな、とか、理想のタイプはやっぱり桜かな、とか。
いろいろ妄想しつつ、調べてみた。


木婚…
カースト最高位のブラーマン(祭司)には、弟が兄より先に結婚してはいけないという習慣があり、弟が先に結婚したい場合は、儀礼的に兄が木と結婚した。
木が枯れたり倒れたら婚姻は無しになるので、人間の相手が決まったらその木を伐採することもあった。
現在は殆ど行なわれていない、世界的に珍しい婚姻形態である。
…のだとか。


…なんだよッ!!ぱしーん(手拭いを床に叩きつけ)
ひどいじゃないかッ!!


…まぁ木としては、求めるのはただひたすらに陽光・水・空気・土だろう。
いきなり伐採されるのは言語道断として、岐阜の薄墨桜のように無理に延命されるのも迷惑なのでは。
ありのままただ一心に生きる、その力。美。
例えば私が懸想して描きに通うことは、寿命の長い彼らにとって、虫が寄ってきて巣を張るようなものかしら。


伴侶の木の傍らに暮らしてただひたすらに描き続け、寿命を終える。その木の傍らに埋めてもらう。
それってえらく甘美な、お伽話だなぁ。
今のとこ私は、北斎のように、描きに描きに描きながら前のめりに絶命するのが理想なのだが。


木を描いていると、自分の死を思う。
メメント・モリ!
死を想え!そして生きろ。…だな。
本気で想って本気で生きよう。
見事な強風であったことだなぁ。


空の向こうから逆さの緞帳のように迫り上がる黄土色に、永井豪「デビルマン」ラストの天使族襲来を思い出してときめいた。


こんな日の木は、足指を開いて踏張り腰にぐっと力を入れ、腕を風に同調させて振り回し衝撃を逃がし、目を閉じ顎を引き無言で耐えているようで、大変にセクシィである。
プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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