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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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夢を見た。


視界一杯に、制作中の絵。
これから描こうとしている部分に、細かい線の一群が、羽虫のように磁力に躍る砂鉄のように、蠢きながら移動して、画像を形成してはすぐにほどける。
苛立っているような速度で、延々と繰り返す。
その形成される画像の具合によって、絵の全体の印象が、微妙に、また大きく、変化する。


そのうちに、また別の部分にも蠢きが現れた。
先からあるものに比べて少し小さいが、同じように、画像を形成してはほどける。
すると先からの方は、幾つかのパターンを繰り返し切り替えるように形成しだし…
2ヵ所の組み合わせによって、更に多くの印象のパターンが示される。
そこにまたもう1ヵ所、蠢きが現れて…


消耗する夢だった。
大層な速度で、膨大なパターンを繰り返し見せられた。
やけに長い夢で、覚めたら痛いくらいに動悸がしていた。


私の「お絵描き意識」が頑張っているようだ。
絵は、そろそろ全体のバランスを考えねばならない局面である。
制作する時には迷いは感じず、ただ集中して画面を眺めていると、「描くべき形」が薄らと見えてきて…
埋まっているものを掘り起こすような感覚なのだけど。
私の無意識は必死に考え構成しているのだろう。


最近時折、この構成する無意識…お絵描き意識と呼んでいる…を覗いてしまうのだけど、なんつぅか、どうにも耐え難い心地がするわ。


少しだけ、絵を怖く感じるようになった。
(構成にもう少し掛かるから描くのちょっと待って、という無意識からのメッセージかしら)
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なかなか美味かったメモ。


人参・竹輪・薄揚げ・蒟蒻を細切りにし、戻したひじき・豆もやしと共に胡麻油で炒め、少量の煮汁とコチュジャンで炒りつける。仕上げに胡麻。
(奥はレッドアイ)





あと、このとこ気に入っているのが、茄子・胡瓜・オクラ・茗荷・葱・生姜・昆布を刻んで酢・醤油と混ぜ合わせて冷やしたもの。
山形県のだしを参考に適当に拵えた。
美味いよ。
豆腐や納豆と合わせてもご飯や素麺と合わせても美味いよ。
丼一杯くらい食える気がする。
拉麺丼は微妙だけど、立ち食い蕎麦の丼ならきっといける。
(写真は枝豆入り。隣は茄子と隠元の胡麻和え。奥はレッドアイ。と丸ペン)


P2009_0731_210056.JPG
















面白く感じた部分をそのまま抜き出し。


開高健「輝ける闇」より。
(ベトナム戦争についての長編小説)
アメリカ人の大尉とのレストランでの会話。

「もし書くとすれば匂いですね。いろいろな物のまわりにある匂いを書きたい。匂いのなかに本質があるんですから」
「…けれど、私の考えでは、文学は匂いよりも使命を書くべきものではないですか。もちろんあなたの自由ですけど、私なら使命を書く。匂いは消えても使命は消えませんからね。私ならそうする」
「使命は消えませんか?」
「消えませんとも」
「使命は時間がたつと解釈が変わってしまう。だけど匂いは変わりませんよ。汗の匂いは汗の匂いだし、パパイヤの匂いはパパイヤの匂いだ。あれはあまり匂いませんけどね。匂いは消えないし、変わらない。そういう匂いがある。消えないような匂いを書きたいんです。使命も匂いをたてますからね」
壁にもたれ、ハイビスカスの花のかげでタバコを噛みながら、私は、小説は形容詞から朽ちる、生物の死体が眼やはらわたから、もっとも美味な部分から腐りはじめるように、と考えていた。ひょっとしたら大尉が正しいのかもしれない。使命が骨なら、それはさいごまで残り、すべてが流失してから露出される。しかし、匂いが失せてからあらわれる骨とは何だろう。


町田康「猫にかまけて」より。
犬猫各々の特徴を挙げる件で、犬を呼んだ場合の描写に笑ってしまった。

「わぎゃっ?呼んだ?ぼくを呼んだ?うふふ。嬉しいな。呼ばれたよ。わんわんわん。と言っている間に、はは、ぼくはもう走ってしまっている」

あはははたしかに。
芦原すなお「青春デンデケデケデケ」では
「わんわんあはあはわんわん」
と表現されていた。
あはははたしかに。

私は犬に見つめられると、「そんなに信頼と期待に満ちた目で見るんじゃない!私はお前が思っているような人間ではないんだ!!」と叫んで走り出したい衝動にかられます。
新野直吉「田村麻呂と阿弖流為 古代国家と東北」
大槻ケンヂ「オーケンのめくるめく脱力旅の世界」「神菜、頭をよくしてあげよう」
安野光雅・河合隼雄「人が、ついとらわれる心の錯覚」
河合隼雄「猫だましい」「昔話の深層 ユング心理学とグリム童話」
歴史の謎を探る会「落語でわかる 江戸っ子の暮らしと人情」
安野光雅「空想犯」
開高健「夏の闇」
町田康「猫にかまけて」


感想など。
「夏の闇」…
異国の片隅にひっそりと暮らす男性の日常。
冒頭からおよそ8割方、とてもしんどい。
怠惰、倦怠、閉塞…
それらの濃ゆい匂い。皮膚感覚。
しかし突如、「ベトナム戦争」の存在が、鮮やかに圧倒的に、どうにもならない迫力で…立ち上がってくる。
主人公の男性、同居する女性、街が、夜が明けるように目が覚めるように、その印象を変える。そしてラストの一行。
…このような瞬間を体験すると、本が好きでよかったな、と思う。
やー、小説って面白いなぁ。


「猫にかまけて」…
「猫の手帳」に連載されていた、猫にまつわるエッセイ。
町田節、てぇのかしら、独特の文体が気味よく。
飼い猫に当てられた科白に、なるほどなと思いつつ笑ってしまう。
(「あなたいったいなにを考えているの?わたしが腹の上でまどろんでいるのよ。それをあなたがごそごそ動いたりそんなごわごわの服を着てたんじゃ意味ないじゃない。バカじゃないの?あなたいったいなんのために生きてるの?わたしを腹の上に載せるめでしょ?それをごそごそ動いたりするんだったらあなたなんて生きてる意味ないじゃない。まったく呆れ果ててものもいえない。もう馬鹿馬鹿しくてこんな腹には乗ってられない」とか)
しかし読み進むうちに、私は猫を好ましいと思っているけれども、「猫好き」と称することは出来ないな、と感じた。
「猫好き」には何か私には伺い知れない世界があるように感じる。
なんつぅか、私はそんなに出来ないよ。いろいろと。
(河合隼雄「猫だましい」には、心理療法を行っているとしばしば猫のイメージが、患者の無意識の何かしらかを象徴する形で現れる、とあったけれども…
ここでは別にそれは関係ないのだろうな。思い出しただけ)
(古来から人と猫は密であった、てことかしら。猫は人の精神の懐に入って来やすい位相をしているのかしら)
例えば、ペット、てしばしば、飼い主の精神の一部分…例えばとても柔らかい部分…を引き受けるものなのかしら。
目と手がオーバーヒートしたもので、一回休み。
平林寺へ参拝に出掛けた。


平林寺とは、新座市にある臨済宗のお寺。
広い境内には杉・楢・赤松等の樹木が繁り、野火止用水が流れていたり、素敵な武蔵野の風情。
茅葺きの建物と併せて天然記念物に指定されているのだって。
野火止塚や松平家墓所など文化財もあり。
また道場にもなっていて、修行僧の方々が日々研鑽を積まれているそうです。


P2009_0724_141652.JPG


















たまに小雨のぱらつく中、ぼんやりと散策する。
お寺や神社って、空気の流れが清々しい。
自分のなかの風通しもよくなるようだ。



いろいろ。







雑木林エリアに立ち入ったらば、其処此処から、どるるるる…という旧式ぽいモーター音が響いている。
ちょうど作務の時間であったらしく、作務衣にヘルメットや手拭い姿の若い坊さま方が、草刈り機や電気鋸を手に黙々と林間整備をされていた。


日常の生活そのものが行である、とする禅宗。
その穏やかな端正さ、てとても格好よく美しいと思う。
(密教のお護摩とか、あのドラマティックな非日常感も大好きだけど)
(私は宗教に対しては鑑賞者であり、信者にはなれないのだろうな)


平常心是道。
拝観券(300円也)に大きく毛書で印刷されている。
南泉禅師(中国の高僧)の言葉。
禅宗に於ては、日常のありのままの心…惜しい・欲しい・憎い・かわいい等の煩悩そのままが平常心であり、それに徹して(誠実に向き合う、てことかしら)生活してゆくことが道であり、禅の神髄であるのだって。
なるほどぉ。


感じる、思う、ことは仕方がない。さて其れをどうするか。てことなのかしら。
感情を抑制・なかったことにしていると、結局体を壊すもんな。
生きる、生活する、てなかなかに骨が折れて、だからこそ素敵で尊いのでしょう。
 


よい休日でした。



P2009_0724_141254.JPGP2009_0724_141331.JPG


















総門近くの、樹齢500年の高野槙!
樹木大好きな私としては(最近「フェチ」と称してもよいのではないかと思っている)、「いやーん素敵ぃぃ!」と身悶えしたくなってしまいます。
 


P2009_0724_135427.JPG


















平和観音。
凛々しいぜ。
プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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