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玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。  新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。 個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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手首は乾いて瘡蓋のようになった。
パリパリと突っ張るのであまり大きく動かせず、なんだかテーピングしたような状態。


しばらく右手の親指・人差し指・中指の先のペンに当たる部分がひび割れたり皮が剥けたりしていたのだけど、ここ数日で赤子の爪のような硬い皮が張った。
ペンだこである。
数年前から、製作が佳境に入ると出来るようになった。
仕上がって一週間もすると剥がれ落ちてしまうのだけども。
これが出来るとペンを持つのが楽になるのだけど、伸縮性がないもので指を伸ばしきれず、ペンを持つような形に固まってしまう。
現在、右手がお絵描きにのみ都合のよい形に固定されている。
人体って適した形に変化するものだなぁ。
母に「人間離れしてきた」と言われた。
これから私はどうなってゆくのだろう。
楽しみである。



母からの島根県土産。
「大人(おやじ)のカレー臭せんべい」
湯上がりの親父が江戸っ子風だね。
ぬるいカレーには入らないのだろうな。
そいであの湯気が「カレー臭」なのか。そうか。
…あの、スパイシーで美味しかったです。
「一反木綿巻いちゃいました」てのもあるらしい。
(パッケージでは鬼太郎が一反木綿を巻いているとか)
なんつぅか…見事なセンスだな…



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このとこ節酒摂生をしていたのです。
アルコール3%の発泡酒を野菜ジュースで割り焼酎を緑茶で割り…
神経を緩める程度に酩酊することはなく、日中は雨戸を締め切った(紙が日焼けしないように)部屋に籠り、目の保護のため読書もせず、無駄にテンションを上げずに淡々と日を過ごしていたらば。
鬱屈したらしくコンディションが悪くなり…


製作を始めるとなんだかろくでもないことを思い出して、怒りのようなひどい衝動が起こり「うぎゃああ」とか叫んで倒れ伏し。
これご近所に聞こえたらあれだよなそうだ「この家の主人は病気です」て続けて「朔太郎ごっこ」て誤魔化すのはどうだろう…難しいよなあれは「おわあ」か「おぎやあ」だもんな、などと更にろくでもない逡巡をしたり。
手首のテーピングかぶれがにわかに腫れてリンパ液だの血液だの滲み、病んだ匂いがしてきたり。
(精神状態が悪くなると無闇に化膿とかしませんか?抵抗力が落ちるのではないかしら)
そんなこんなでなかなか製作も進まず…
(このとこ更新が滞っていたのもこの所為です)
なんだかいろいろどうにも嫌になって、ちくしょう飲酒したるぅ!と。


製作を早仕舞いにして簡単な肴を拵え、(大根と揚げを煮干の出汁で炊き、茄子と甘長となめこを味噌炒めにした)
安い白ワインを1本開けて先日いただいた泡盛をロックでやり、(美味しいよぅ)
禁を解いて読書をし…
(横田健一「観音信仰と民俗」を読了(あまり好みに合わず)、さの昭「アジアの奇祭」を途中まで(面白いです)、八代目林家正蔵「正蔵一代」を読了(恋かしら)
素敵な心地で北インドの遊芸の民の楽曲に合わせてへろへろと踊ったりして過ごしたらば、かなり調子がよくなった。
今日はまあまあ製作も進む。
やっぱり酒だな。


なんつぅかね。あんまり始終素面でいたらば気が狂ってしまいそうだよ。
本日の標語。
摂生も程々に。時々精神をアルコール消毒。
羽村市動物公園にて鶏の観察をした。


小ぢんまりと手作り感溢れる園内の片隅に、数種の日本鶏が飼育されている。
日本鶏とは、江戸の終わり頃までに入ってきた鶏が(…鶏が家畜化されたのは、古墳時代の頃、東南アジアに於てであるらしい。日本には、遣唐使などによって中国やベトナムから入ってきたのだって)、西洋種と交配せずに各地でそれぞれ独特の形を成したもので、現在17種が天然記念物に指定されているのだそうです。



ホロホロチョウ


若冲のすごさを改めて思いつつ。
なんかこの声良鶏(コエヨシ)て半眼で鷹揚でご隠居っぽい…


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「なんだえ?おまぃは」
 

と、母にメールを送信したところ、母もまた落語好きで負けず嫌いであるため応酬が始まり後に引けなくなり…
うっかり小咄もどきが出来上がった。



にわとり長屋


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薩摩鶏の幸兵衛さん見回り中。


「どこだい飯ぃ焦がしてんのは」



「なんだって、また八の野郎が喧嘩かい?困ったもんだね、怒ると見境がないんだから…」




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烏骨鶏の八つぁん癇癪。


「こちとら職人だぁ気ぃみじけんだいッ」



「てやんでぃ!烏骨鶏が立ってどこが悪い 矢でも鉄砲でももってきやがれってんだ!べらぼうめ!!」



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比内鶏のおかみさん。


「やだよぅまったく八の野郎は毎度毎度。これじゃあ長屋が壊れちまう。ちょいと与太郎、横丁の先生呼んできとくれ」



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「…ぅぁ?」


軍鶏の与太郎お食事中。



「あたいは 今忙しいんだよ。おとっつぁんがちゃぶ台ひっくり返したから、こぼれたおまんま、あたいが片付けてんの」



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矮鶏(チャボ)の先生


「おや与太郎じゃあないかどしたぃ?なに、おまんまこぼれたから来てくろってお前、馬鹿を言ったちゃあいけないよ。あたしは年寄りですけどね、決してそんな暇じゃあねぇんだほらごらん、今もこぅしてお客さんが…なに?八つぁんが魚屋相手に癇癪おこして喧嘩、そこに熊さんまで加わって長屋中しっちゃかめっちゃか…馬鹿だねなんで早く言わないんだい、あぁ若旦那、すみませんねぇごめんくださいよ、私ぁちょいと、にわとり長屋行って喧嘩の仲裁をしてめぇります。いやなにすぐに戻りますから…。詫び状の件、しかと承りましたよ。必ずや大旦那のお怒りが解けるように及ばずながら尽力させていただきます。まずは私が代筆して差し上げたこの詫び状を持ってお店にお帰りなさい、ここはひとつ勝手口から行くんですよ、そいでも駄目ならこの私が一緒に…なぁにすぐに帰って書き上げますからおぉい婆さんあたしの羽織を出しとくれ、こりゃ与太郎、勝手に饅頭を食ってるんじゃないよそら若旦那にお出ししたもんだよ、何やってんだい早く行くよ。ほいじゃま若旦那ごめんく ださいよほらほら与太郎口をお拭き…」




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「…は。」


その頃長屋では東天紅鶏(トウテンコウ)の熊さんが我にかえります。
「なぁ八つぁんよぅ、なんで俺たちゃあ喧嘩してたんだっけか」
「そうさなぁ熊さん、俺も思い出せねぇ…おい魚屋」「覚えてねぇ」
「ッかたねぇなぁおい兄弟、いっちょ仲直りの一杯ぇと洒落込むか」…
さすが鶏だけに鳥頭でございます。長屋へ向かっていた先生と与太郎も、とうに忘れて道端の草むらに入り込んで虫なんぞをつつき回しております。
また長屋では、大家の幸兵衛が午後の見回りに来て…「なんだよおぃ、ここで鰯が盥のまんま腐ってるじゃあねぇか。どこんどいつだ出てきやがれこんちくしょうこいつぁみのがしちゃあおけねぇたっぷりと小言を…」などと怒りながらも、一回りする頃にはさっぱりと忘れてしまいます。



一方横丁の先生のお家では、軍鶏の与太郎に饅頭を食われてしまった山羊の若旦那、小腹が減ったと見えて…
書きかけの詫び状をむしゃりむしゃり。

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お粗末さまです(礼)
苦しまぎれの山羊落ち。
何やってんだか私…
あ、あの、サゲ募集中です。
少しずつ、出来るだけ、描き進めている。
制作てぇのは目と手と神経の作業であるなと。
そいで結局は生命力の勝負なのではないかなと。
改めて感じている。
目と手と神経を、故障させずに最大限に使うこと。それが課題だ。


「光へ」を制作して以来、心身…特に神経が、不思議なくらいに弱っている。
まぁいろいろあっかたらな。
(制作と祖母の認知症、ブログには書けないようなあれやこれやも複数重なり…
あの、たまに「あれくらいのことで云々」とたぶんご好意から「アドバイス」をくださる方がいるのですが、今はそれ本気できついので堪忍してください。ブログはブログと多少は割りきっているつもりなのです。私の書き方もいろいろあれだったのだろなと反省しきり)
そのうち回復するだろうけど、今は現状を現実として受け入れようと思う。
(また、おかげで幾らか学んだし、自分の作品、てものが見えてきた。代わりに幾らかのことが出来なくなった。そういうことかも知れない。
得るものがあれば失うものがある。仕方がない。得たものを大切にしよう)


このとこ古典落語にはまっていて。
図書館でCDを借りては聴き入っている。
やー…面白いなぁすごいなぁ~
些細な日常事から生き死に、世情や宗教、恋愛、オカルト…片っ端から飲み込んで貪欲に「笑い」に昇華してしまう。そのパワー。
格好いいぜ。


また「名人」と呼ばれる方の芸、てこんなにも…!て驚愕します。
八代目林家正蔵が目下のアイドル。
やー…あの口調。どぉにも堪らんですよ。
明治28年品川生まれ浅草育ち、終生長屋にお住まいだったそうで、ネイティブな江戸弁なのかしら。
ゆっくりと几帳面な語り口で、滑稽噺、人情噺、芝居噺人情噺文芸もの…幅広くこなされたらしいのだけど。
怪談がもぅ、本気で怖いのよ!
泣きそう、つぅか、本当に泣いてしまったよ私「耳なし芳一」で!
(不意に、「亡者の無念」が生々しく胸に来たのです。人の弱さ狡さ哀しさ…そんな処に幽霊は宿るのだなと。良質な湿り気、て日本文化の「美味しいとこ」だよなぁ)
あぁもぅどうしようこのときめき。恋かしら。


最近思うのは、「笑い」のすごさである。
中島らもが、「人を笑わせることが一番難しい」て書いていたっけ。
(一番簡単なのは怒らせること、次が泣かせること、最後が笑わせることなのだって。また、恐怖と笑いは裏表だとか。なるほどぉ)
西原理恵子「ぼくんち」の、「ええかあ、泣いたら世間がやさしゅうしてくれるかあっ。泣いたら腹がふくれるかあ。泣いてるヒマがあったら、笑ええっ!!」て台詞は本当にすげえと思う。
(母親に捨てられて泣きじゃくる幼子に姉が怒鳴るのだ。最後まで読むと、この台詞の含み重みがずしりときます)


しばらく、自分を「追い込む」のではなく「笑かす」ことを考えてみようと思う。
喜怒哀楽にきっちり向き合わないと笑えないのだきっと。
(認知症の祖母の世話をするに当たって「怒り」の感情への回路を断ち切っていたからきっといろいろ妙なことになったのだろう。感情を侮ってはいかんな本当。でもまぁよい経験でした)
きっとそれはなかなかに取り組み甲斐があるのではないかしら。
笑っとけ笑っとけ! 


(きっと、バラエティ番組よりも落語の笑いが私には合うのだな。まだ幾らか昭和に生きているんだよ私…)
虫のおかげで夏休みである。
いろいろ片付いて余裕もあって、な意図的な休暇でなく「使用差し止め」であるから面白くない。
しかしまぁ腐っても仕方がないので、この機会に磨り減り気味な目・手・神経を休めて鈍りがちな足腰を使おうと。
駅に置かれていた「奥武蔵ハイキングマップ」てパンフレットを手に、ただ黙々と歩いてみた。


19日。
西武池袋線・飯能駅にて下車し、天覧山~高麗峠~巾着田へ抜けて、高麗駅へ至るコース。
高麗川の川原はバーベキューや川遊びに興じる家族連れや若者たちで賑わっていて、そぉいや世間も夏休みだったなと思い出した。






右下は、観音寺の鐘突堂にいた張り子の象。
何故だろ…(説明の立札とかないんです)





天覧山頂付近の十六羅漢。
中に2体、妙なインパクトの仏さま。





…なんだろう、頭が落ちちゃって適当に乗せたのかしら。
怖いよ!


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山頂より。


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彼岸花で有名な巾着田。
彼岸花はまだだけど、蓮が見事。
羽黒蜻蛉がふらふらと飛び交って、なんだか幻惑されているような心地がした。
(現在視界がぼやけて不安定(ピント調節機能の影響でよく揺れる)なもので、余計に不思議に感じられて)
この日歩いたコースでは他にもいろんな蜻蛉や蝶や、わんわんと鳴り響く蝉の声とか。
昆虫をこんなに意識するのは小学生の頃以来かも知れない。
家の近くでも時々虫取網を抱えたお子を見るけど、きっと、宝物を追い掛けるような心地なのだろうなぁ。


歩いていると、時折こめかみから眼球あたりがぎゅぎゅぎゅ、と引き絞られるように痛み…
その後一時視界がクリアになる。
調弦しているみたい。
だいぶ視力が弱っていたようだ。
休養することになってよかったのかも。



20日。
武蔵横手駅で下車し、五常の滝~土山~物見山~高指山~日和田山と低山の尾根を伝い、高麗駅へ至るコース。
杉木立が見事で所々見晴らしがよく、なかなかに素敵だった。
 

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人の気配が薄く虫が元気で。
耳元では常に高い唸りが聞こえ数匹の羽虫が付いてくるし、蜘蛛の巣引っ掛けたり、一度妙に痛いやつに噛まれたし。
時々少し大きな虫が低く唸りながら私の周りを2・3周してはまた離れて行くので、「うぉぉ偵察されてる」と緊張した。
この辺りの主は虫。私は余所者なのだ。


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南北朝時代、戦場へ向かう高麗一族(…668年に新羅に滅ぼされた高句麗から渡来した人々)が身を清めた、という伝説のある五常の滝。
(五常…儒教の道徳。仁・義・礼・智・信)
なんか、千切れた紙垂が落ちてたり米が撒かれてたり。
何?ちょっと怖いよ。
歩道に戻る途中、蛇に遭遇。
そういえば生きた野生の蛇を見るのはこれが初めて。
這う様は、流れるような滑るような泳ぐような…
ぞくりとするような静かな緊張を湛えてとても美しかった。
蛇を愛好する人の気持ちが少しわかった気がする。


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駒高より。


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日和田山の金刀比羅神社より。
昨日歩いた巾着田が見える。
(見え辛いけど、手前の真ん中へん)


目の辺りの「調弦」が繰り返し起こる。
回復しつつある。
眼鏡を外して歩いてみると…
色、音、気温、湿度、匂い…を濃ゆく感じる。
マットな色調の抽象画のような視界に、時折羽虫がクリアな姿で横切る。
考えてみたら私は、視覚ばかりを意識して、しかも線ばかりを見ていたかも知れない。
この世も感覚もこんなにゆたかなのに、それを忘れるから、いろいろと故障するのかも知れない。


よい夏休みでした。
プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。

連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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