玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。
新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。
個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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「良きひとに出會えることのありがたし 良きひとは支ふ蒼穹の芯を」
前登志夫
少し前に、私にとって「青空の芯を支う人」であった方の訃報を聞き、茫然と、思いが何処までも巡り続けるような今日この頃。
あまりにも大切な思い出なので、書き留めておきます。
二十年ほど前にお世話になったカウンセラーさん。
本当にいろいろあって病気もして暗い処で身動きの取れなくなっていた頃に、この方にお会い出来たからこそ今の私があるように思います。
カウンセリングはたしかニヶ月ほどで終わり、その数年後に一度だけお会いする機会があったのだけど…
その時、ツアーで旅行したモンゴルの草原にて、ツアーバスを途中下車してその場で交渉してゲルにホームステイされたというお話や…
バリ島の何処かには、昼間に遊んだ友達と「じゃあまた今夜」と別れて夜に夢の中で話をし、翌日また夢の続きから話し始める人々が居るというお話…
小児科と内科のお医者さんと一緒に、自力で病院へ行くことの出来ない子供達を治療するプロジェクトに携わっていらっしゃるというお話等を伺いました。
(たしか、「青空診療所」という名称であったように記憶しています)
生き生きとして清々しい、とても格好いい女性でした。
カウンセリングしていただいた当時にその方にいただいた言葉…
「死を現実として感じた経験があるからこそあなたは本当の意味で生きている」
(幼い頃から日常的に幻覚を見ていた私に対して)「イメージを即座に具体的に視覚化することで客観視して対処する。それはあなた自身を守る強さであり素晴らしい能力」
…他にも幾つもあるのだけどこれらは、私が自身を肯定するための呪文となり護符となりました。
最後の診察が終わった後に少し延長してお話していただき、その時
「あなたのカウンセリングをしていて、フロイトがダリのカウンセリングをしたというエピソードを思い出しました」
「いつか銀座での個展を楽しみにしています」
というお言葉をくださいました。
おそらく「臆することなく一流を目指せ」という発破であったのでしょう。
あれから二十年…本当にいろいろなことがありました。
(複数の方が「地べたを這いずって泥を食らうように」と評してくださいましたが…嬉しいです。打たれ強さは私の誇りです)
今、私は描いています。
先のことはわからないけれど今のところ…来年まで個展、グループ展、アートフェアにお声を掛けていただいています。
本当に幸運なことです。
二年前、十年間の自主修行を終えるつもりで個展を開催した際に、届かないことを覚悟して葉書をお送りしたところ、沖縄の離島からお返事をくださいました。
久高島…神と民俗の島と呼ばれる島にお住まいとのことで、今回はお仕事でお忙しいけれどいつか個展会場での再会を…と美味しい古酒を送ってくださいました。
感激しました。私も再会を夢見るようになりました。
しかしそれは果たせず。
私の絵は今から、やっとここからなのに!という思いに胸を裂かれるけれど…ここで落ち込んでも故人は1ミリも喜んではくださらないでしょう。
私にとっては大切な存在でもカウンセラーさんにとって私はたくさん居る患者の一人であるのだと思っていたのだけれど…
この度その方の娘さんがお知らせをくださいまして。
ご家族に私のことをお話してくださっていたのだそうです。
娘さんは今までの個展にお越しくださっていたのだそうです。
昨年のアートのチカラ展にはご家族でお越しくださったのだそうです。
私のことを「天才だ」と仰ってくださっていたのだそうです。
言葉には力があります。肯定の言葉は人を護ります。
私は知らないままに素敵な守護をいただいていました。
お知らせをいただいてから日に何度も涙腺が決壊するもので、ここのところ目が小さくなっています。
止めどなく溢れる、てこういうことなのだなぁと。
胸の内に満ちてゆくのは感謝、なのだと思います。涙は浄化です。
因みに幻覚は今でも時々見えます。
(あ、あの、昔も今も非合法薬物の類は一切使用していませんよ!)
でもチャンネルを切り替えるようにだいぶコントロール出来るようになったし、惑わされることもありません。
(明るい色の綺麗なものが見えたら調子良好そのまま進め、暗い色の不安なものが見えたら調子悪し要注意、というバロメーターになっています)
龍や妖怪などこの世に存在しないものを描く時には、時々姿を現わしてくれるので便利です。
きっとイメージが視覚化しやすいタイプなのでしょう。
私の心身に力があれば幻覚は味方。なのでトレーニングは怠れません。
ここ数日、自分の「根」について思いが巡ります。
生命力。浄化。肯定。この三つに強い希求があるなぁ。
とにかく力が欲しい。打ち負かす力ではなく、受けとめて肯定する力。
描き続けてきた理由には…
「自分がこの世に居場所を獲得出来るとしたらその唯一の手段は絵なのではないか」という思いと、
「たくさんのことを肯定したい。絵に力があればそれが出来るのではないか」という思い、
加えて、「絵」に対する恋心のようなものがあるような気がします。
自分の原点、礎となる思い…日々の暮しや現在や少し先のことに追われて忘れてしまいがちだけど、忘れてはいけないし、捕われてもいけないのだろうなぁ。
改善するべきこと。克服するべきこと。譲れないこと。
以前通っていた座禅会にて伺った法話によると、供養とは、個人という枠から解き放たれて大自然と一体になった故人対して「あなたの良いところを私の中にいただいて強く生きてゆきます」という意思を伝えることなのだそうです。
最後にお会いした時、その方は「やっぱりあなたは相変わらず、生きてますねー!」と笑っていらっしゃいました。
とにかく生きよう。
すべてを咀嚼し養分として迷いなく光を目指す木々のように強く。
闇に呑まれることなく逃げることなく、とにかく生きた絵を描こう。
昨年その方が久高島からくださった葉書。
神の島、ニライカナイに一番近い島…私の中では今も颯爽として笑っていらっしゃるその方に、なんてお似合いになるのだろう。
絵の道は無限に続く一本道。其処を歩き絶筆が私のゴール。そんな思いが昔からあります。
かつてのあの道が今に繋がり、未来へ続いてゆくわけです。
過去も未来も現在次第。とにかく今を精一杯生きねばなぁ!
そしていつか、私自身も誰かの青空を支えることが出来ますように。
前登志夫
少し前に、私にとって「青空の芯を支う人」であった方の訃報を聞き、茫然と、思いが何処までも巡り続けるような今日この頃。
あまりにも大切な思い出なので、書き留めておきます。
二十年ほど前にお世話になったカウンセラーさん。
本当にいろいろあって病気もして暗い処で身動きの取れなくなっていた頃に、この方にお会い出来たからこそ今の私があるように思います。
カウンセリングはたしかニヶ月ほどで終わり、その数年後に一度だけお会いする機会があったのだけど…
その時、ツアーで旅行したモンゴルの草原にて、ツアーバスを途中下車してその場で交渉してゲルにホームステイされたというお話や…
バリ島の何処かには、昼間に遊んだ友達と「じゃあまた今夜」と別れて夜に夢の中で話をし、翌日また夢の続きから話し始める人々が居るというお話…
小児科と内科のお医者さんと一緒に、自力で病院へ行くことの出来ない子供達を治療するプロジェクトに携わっていらっしゃるというお話等を伺いました。
(たしか、「青空診療所」という名称であったように記憶しています)
生き生きとして清々しい、とても格好いい女性でした。
カウンセリングしていただいた当時にその方にいただいた言葉…
「死を現実として感じた経験があるからこそあなたは本当の意味で生きている」
(幼い頃から日常的に幻覚を見ていた私に対して)「イメージを即座に具体的に視覚化することで客観視して対処する。それはあなた自身を守る強さであり素晴らしい能力」
…他にも幾つもあるのだけどこれらは、私が自身を肯定するための呪文となり護符となりました。
最後の診察が終わった後に少し延長してお話していただき、その時
「あなたのカウンセリングをしていて、フロイトがダリのカウンセリングをしたというエピソードを思い出しました」
「いつか銀座での個展を楽しみにしています」
というお言葉をくださいました。
おそらく「臆することなく一流を目指せ」という発破であったのでしょう。
あれから二十年…本当にいろいろなことがありました。
(複数の方が「地べたを這いずって泥を食らうように」と評してくださいましたが…嬉しいです。打たれ強さは私の誇りです)
今、私は描いています。
先のことはわからないけれど今のところ…来年まで個展、グループ展、アートフェアにお声を掛けていただいています。
本当に幸運なことです。
二年前、十年間の自主修行を終えるつもりで個展を開催した際に、届かないことを覚悟して葉書をお送りしたところ、沖縄の離島からお返事をくださいました。
久高島…神と民俗の島と呼ばれる島にお住まいとのことで、今回はお仕事でお忙しいけれどいつか個展会場での再会を…と美味しい古酒を送ってくださいました。
感激しました。私も再会を夢見るようになりました。
しかしそれは果たせず。
私の絵は今から、やっとここからなのに!という思いに胸を裂かれるけれど…ここで落ち込んでも故人は1ミリも喜んではくださらないでしょう。
私にとっては大切な存在でもカウンセラーさんにとって私はたくさん居る患者の一人であるのだと思っていたのだけれど…
この度その方の娘さんがお知らせをくださいまして。
ご家族に私のことをお話してくださっていたのだそうです。
娘さんは今までの個展にお越しくださっていたのだそうです。
昨年のアートのチカラ展にはご家族でお越しくださったのだそうです。
私のことを「天才だ」と仰ってくださっていたのだそうです。
言葉には力があります。肯定の言葉は人を護ります。
私は知らないままに素敵な守護をいただいていました。
お知らせをいただいてから日に何度も涙腺が決壊するもので、ここのところ目が小さくなっています。
止めどなく溢れる、てこういうことなのだなぁと。
胸の内に満ちてゆくのは感謝、なのだと思います。涙は浄化です。
因みに幻覚は今でも時々見えます。
(あ、あの、昔も今も非合法薬物の類は一切使用していませんよ!)
でもチャンネルを切り替えるようにだいぶコントロール出来るようになったし、惑わされることもありません。
(明るい色の綺麗なものが見えたら調子良好そのまま進め、暗い色の不安なものが見えたら調子悪し要注意、というバロメーターになっています)
龍や妖怪などこの世に存在しないものを描く時には、時々姿を現わしてくれるので便利です。
きっとイメージが視覚化しやすいタイプなのでしょう。
私の心身に力があれば幻覚は味方。なのでトレーニングは怠れません。
ここ数日、自分の「根」について思いが巡ります。
生命力。浄化。肯定。この三つに強い希求があるなぁ。
とにかく力が欲しい。打ち負かす力ではなく、受けとめて肯定する力。
描き続けてきた理由には…
「自分がこの世に居場所を獲得出来るとしたらその唯一の手段は絵なのではないか」という思いと、
「たくさんのことを肯定したい。絵に力があればそれが出来るのではないか」という思い、
加えて、「絵」に対する恋心のようなものがあるような気がします。
自分の原点、礎となる思い…日々の暮しや現在や少し先のことに追われて忘れてしまいがちだけど、忘れてはいけないし、捕われてもいけないのだろうなぁ。
改善するべきこと。克服するべきこと。譲れないこと。
以前通っていた座禅会にて伺った法話によると、供養とは、個人という枠から解き放たれて大自然と一体になった故人対して「あなたの良いところを私の中にいただいて強く生きてゆきます」という意思を伝えることなのだそうです。
最後にお会いした時、その方は「やっぱりあなたは相変わらず、生きてますねー!」と笑っていらっしゃいました。
とにかく生きよう。
すべてを咀嚼し養分として迷いなく光を目指す木々のように強く。
闇に呑まれることなく逃げることなく、とにかく生きた絵を描こう。
昨年その方が久高島からくださった葉書。
神の島、ニライカナイに一番近い島…私の中では今も颯爽として笑っていらっしゃるその方に、なんてお似合いになるのだろう。
絵の道は無限に続く一本道。其処を歩き絶筆が私のゴール。そんな思いが昔からあります。
かつてのあの道が今に繋がり、未来へ続いてゆくわけです。
過去も未来も現在次第。とにかく今を精一杯生きねばなぁ!
そしていつか、私自身も誰かの青空を支えることが出来ますように。
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。
連絡先→tamagawa10@hotmail.com
連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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