玉川麻衣の作品、日記、展示等のお知らせです。
新しい作品はカテゴリー「ペン画1」に入っております。
個展 7月:八犬堂ギャラリー(京橋) 10月:ストライプハウスギャラリー(六本木)
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今回展示している雲龍図を描きながら思い出したこと。
絵を描く時、最初は下絵や資料、全体のバランスを見ながら、微細なピースを組み上げるように描き進めるわけですが。
途中からは絵が勝手に育つというか…
表層意識でなく無意識で構成するようになるのかしら?
画面上に描くべき線が次々と現れ「早く早く!」と急かすようで、ひたすらにそれを追って手を動かすことになるのです。
そのような状態で雲を描いていた時のこと。
手が、今まで積み上げ盛り上げるように描いていた積乱雲の、下の部分を潰しては層のように階段のように流し始めて。
その様に流れる雲は、資料にも下絵にも見当たらず。
なんだろこれ?でも何処かで見たような…
と首を傾げるうちに、思い出した。
あれはたしか、七年ほど前のこと。
パン工場での短期バイトの帰りに、とても見事な積雲を見て…
なんて見事なのだろう美しいのだろう。私には到底描くことが出来ない。手の伸ばし方もわからない。この世にはこんなに美しいものが当たり前にたくさん存在しているのに、私は一ミリだって触れられていない。
…とかなんとかそんな具合に打ちのめされて、悔しさにぼろ泣きをしたのだった。
当時の私の画力では雲には全く手が出せず、(「発表出来る作品」にすらまだなっていなかった)自分が今欲していることは正に「雲を掴む話」なのでは?などと自分の無力さが恐ろしくなったのだった。
それでも、「今描けるものを全力で誠実に描くこと。その積み重ねがそのうち雲にも届くはずだ!」 という、根拠のない信念のような電波のようなものがあって…
「ちくしょう今は無理だけどそのうちに絶対に描いてやるんだぞー!」と、全力でその雲を観察したのだった。
すっかり忘れていたのだけれど、現在描いている雲は、その七年前に見た雲に似ているような気がしてならなかった。
私の無意識は、当時の「いつか描いてやる!」をずっと覚えていたのかも知れない。
私が「本気で絵を描く!」と決意したのは、今から十年ほど前で。
美大に行っておらず知識も知恵もなく、ひたすら「気合入れて描く!」ことばかりを考えていてそれ以外の殆どのことを疎かにしてきてしまい。
落ち込んだ時などに、「私は一体何をやってきたのだろう。ただの浪費と消耗なのでは?」などと無駄なループにはまりかけるのだけど。
でもとりあえず、出来不出来は置いといて、雲に取り組むことは出来るようになったのだなぁ。
七年前の私ならきっと、他の何を得ている未来よりも「雲を描ける未来」を選んだだろう。
そのように思い至り、描きながら少し泣いた。
七年前の私よ。諦めなくてよかったなぁ。
(あ…あのですね、幾人かの方から「大細密展行ったよ」やご感想のメールをいただきまして、この一月の頑張りが報われた!描いてきてよかった!て喜び悶えておりますありがとうございます!)
絵を描く時、最初は下絵や資料、全体のバランスを見ながら、微細なピースを組み上げるように描き進めるわけですが。
途中からは絵が勝手に育つというか…
表層意識でなく無意識で構成するようになるのかしら?
画面上に描くべき線が次々と現れ「早く早く!」と急かすようで、ひたすらにそれを追って手を動かすことになるのです。
そのような状態で雲を描いていた時のこと。
手が、今まで積み上げ盛り上げるように描いていた積乱雲の、下の部分を潰しては層のように階段のように流し始めて。
その様に流れる雲は、資料にも下絵にも見当たらず。
なんだろこれ?でも何処かで見たような…
と首を傾げるうちに、思い出した。
あれはたしか、七年ほど前のこと。
パン工場での短期バイトの帰りに、とても見事な積雲を見て…
なんて見事なのだろう美しいのだろう。私には到底描くことが出来ない。手の伸ばし方もわからない。この世にはこんなに美しいものが当たり前にたくさん存在しているのに、私は一ミリだって触れられていない。
…とかなんとかそんな具合に打ちのめされて、悔しさにぼろ泣きをしたのだった。
当時の私の画力では雲には全く手が出せず、(「発表出来る作品」にすらまだなっていなかった)自分が今欲していることは正に「雲を掴む話」なのでは?などと自分の無力さが恐ろしくなったのだった。
それでも、「今描けるものを全力で誠実に描くこと。その積み重ねがそのうち雲にも届くはずだ!」 という、根拠のない信念のような電波のようなものがあって…
「ちくしょう今は無理だけどそのうちに絶対に描いてやるんだぞー!」と、全力でその雲を観察したのだった。
すっかり忘れていたのだけれど、現在描いている雲は、その七年前に見た雲に似ているような気がしてならなかった。
私の無意識は、当時の「いつか描いてやる!」をずっと覚えていたのかも知れない。
私が「本気で絵を描く!」と決意したのは、今から十年ほど前で。
美大に行っておらず知識も知恵もなく、ひたすら「気合入れて描く!」ことばかりを考えていてそれ以外の殆どのことを疎かにしてきてしまい。
落ち込んだ時などに、「私は一体何をやってきたのだろう。ただの浪費と消耗なのでは?」などと無駄なループにはまりかけるのだけど。
でもとりあえず、出来不出来は置いといて、雲に取り組むことは出来るようになったのだなぁ。
七年前の私ならきっと、他の何を得ている未来よりも「雲を描ける未来」を選んだだろう。
そのように思い至り、描きながら少し泣いた。
七年前の私よ。諦めなくてよかったなぁ。
(あ…あのですね、幾人かの方から「大細密展行ったよ」やご感想のメールをいただきまして、この一月の頑張りが報われた!描いてきてよかった!て喜び悶えておりますありがとうございます!)
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プロフィール
HN:
玉川麻衣
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1977/05/08
職業:
絵描き
趣味:
酒、読書
自己紹介:
ペン画を制作しています。 詳しくはカテゴリー「プロフィール」よりご覧下さい。
連絡先→tamagawa10@hotmail.com
連絡先→tamagawa10@hotmail.com
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