過去作品

F10号「膨れてしまう」
2011年制作。





たしか19才の頃にふと思い付き、繰り返し制作している構図。
「プラスにもマイナスにもなり得る未分化のパワーと、それが破壊や破滅の方向へ行かないための箍」てな感じのイメージなのです。


2011年の「新生展」に入選し…
見に来てくれて、ちょうどこの絵の前で初対面した友人二人がその後ご結婚されたり。
個展で掲示したプロフィールの入選歴をきっかけに興味を持っていただき「見参」にお誘いいただき今へ続いていたり。
思い出のある絵です。


この赤子のモデルは大切な友人のご子息ご息女なのだけど、今では高校一年生と小学五年生で。
時間の流れを感じることです。
(本当に、いろいろあったけど…たぶん私はお絵描きのことばかり考えてきたのだろうなぁ)




そして今度、とある作家さんが自費出版される詩集の表紙に使っていただくことになりました。
それは、「きっとこの絵は使っていただくことを喜んでいるだろうな」と感じるご縁で。
本当に、幸せな絵だな。



(そのために、ご購入くださった方にお願いして貸していただき再度撮影したのですが、持ち主さんも、ご連絡をお願いしたギャラリーの方も快くご協力くださり…そんなこんなで久々に対面した「当時の自分」やら諸々やらを思うなかで、)
…ふと。
制作は本当に孤独な作業で…何処までも孤独を追い求めてゆくような、描くほどに孤独になってゆくような心地にもなるのだけれど。
その孤独はゴールではないのかも知れないなぁと。

（あぁそういえば。制作当時は体調も悪くいろいろ重なって「底」だった頃で…「それでもこの世は美しい。私の絵には幾らかの…ほんの僅かでも0ではない、可能性があるはずだ」との思いで描いたのでしたよ。
そしてその後、幾つもの素敵なご縁を結んでくれたのだなぁ。不思議だな）


そんなこんな。とっ散らかり。
(…まぁね。言葉にならないから描くのですけどね！)